「やって見せ、言って聞かせて、させて見せ、褒めてやらねば、人は動かじ。」
とは、第二次世界大戦の連合艦隊の司令長官、山本五十六の有名な言葉だ。これを人材育成の場で使われることは多いようである。これの後にさらにこうも言われている。
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず
やってる姿を、感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
けだし名言である。シンプルにして、的確。これを子供ができ、その子育てから、家庭教育のあり方に当てはめてみるとどうなるか、まず、世の中の親の大半は自分の子は世界で一番可愛く、頭がいいだろうと考える。それはいい、思うのは勝手だ、
そこから、子育てに余分な力が入る。まず口を出す。やって見せ、はない、言って聞かせて、もなく、いいっぱなしになる、その後、私の言ってることが何故わからないの!と怒鳴りになる。
こういうことわざがある。子は親の背を見て育つ、と現代では全く忘れられたことわざである
やって見せ、とは、まずこの背のことではないかと思う、何も言わずとも、親のやることを範にしてみせる、そして、その意義を口で伝える。それも最大の敬意を持って、そして、それを子供にさせてみる、それが失敗でもいい、あとはやったことを褒めてやるだけ、その後は、ほっといても自分で自分を成長させるようになる。
子供は生まれてからは、一個の人格を持つ人間である。決して物ではない、だが、この世の出来事には、とんでもなく勘違いをしている親が出る。いわゆる、しつけで、という言い訳だ、しつけの延長が、子供を死にいたしめることが平然な世の中は、異常というしかない
こどもを産む前に、親の学校に行くべきである。がそれもない
山本五十六は本当は最後まで、この戦争には反対であったそうである。殺し合いを認めるような人間からはこういう言葉は出ないだろう、耳を傾け、や、感謝や信頼、そして、動く、育つ、実る等の言葉には、人間を最大にリスペクトした精神を持っているゆえに出てくるであろうと思う。
今だからこそ、これらの言葉を噛み締めると、子供に限らず、対人間の関係をこなすのには、今以上の良好な関係が生まれるのではないだろうか。世知辛い世の中にあって、心の余裕がなかなか取れない現代、自信のなさからか、他人への干渉がすぎ、さらに依存度も増すことで、責任の押し付けが始まり、ますます人間関係が悪化する。
それを避けるには、一人一人が少し立ち止まり、自身を改めて見直すことが必要ではないだろうか、自分の人生を真面目に考えた時、何が正しく、何が間違いか、をいち早く気付くことで、長い人生をより良いものにできる。そのためのきっかけとして、この文言の意味をかみしめることは重要と考える。
ちなみに、この文言の出所は、山形米沢藩主 上杉鷹山の「して見せ、言って聞かせて、させてみる」にあるとの説も、これについては、後に機会があれば